理学療法士、作業療法士養成校における臨床実習について

養成校における学生生活において、最大の難関の一つが実習です。実習は国が定めたカリキュラムに入っており(単位を取得する必要がある)、どの養成校に行っても必ず行わなければならないもので、実習に行かなくて良いという養成校はありません。

 

実習には、見学実習、評価実習、臨床実習などいくつかの種類があります。

 

いずれの実習も養成校内ではなく、病院や施設などの職場に行って行います。

 

また、各実習では、実習生に対して、現場で働いている理学療法士や作業療法士が指導者となって指導を行います。

見学実習

1〜2年次に行われ、見学が主体の実習です。期間は1日〜1週間程度のことが多く、見学した内容をレポートにまとめて提出することが多いです。

 

評価実習

2〜3年次に行われ、実際に患者さんを担当して、評価を行い、評価結果をもとに問題点を挙げて、治療プログラム立案までを行います。期間は2週間×2ヶ所程度が一般的です。

 

医師が患者さんを検査して、問題となる部分を見つけ出し、治療の計画を練るのと同じと思ってもらえればわかりやすいと思います。

 

臨床実習

3〜4年次に行われ、実際に患者さんを担当し、評価、問題点抽出、治療プログラム立案、実際の治療(理学療法または作業療法)までのすべての過程について実習します。期間は2ヶ月×2ヶ所程度が一般的です。

 

 

実習場所について

実習先は、病院が多いですが、最近では、養成校が急増し実習先の確保が難しくなってきたことから、介護老人保健施設など病院以外での実習も増えてきました。

 

それぞれの養成校は、実習先として各病院等と契約しているので、実習先の場所や種類は養成校により異なります。

 

そのため、養成校から遠く離れた場所であったり、あまりレベルの高くない施設での実習になることもあります。実習先の決め方は、養成校が一方的に決める場合、学生の希望を聞いて決める場合、学生の自宅や実家の近くを考慮してくれる場合など様々です。

 

実習は期間も長く、実習を受ける側にとっては、とても負担の大きいものです。そのため、病院等はあまり実習生を受け入れたがらないのですが、それに対して、養成校の数や学生の数は年々増加傾向にありますので、各養成校にとって、実習先の確保は大変なことです。

 

そうすると、レベルの高い実習先をどれだけ確保できているか、という部分で養成校に差が生じることになり、どの養成校に入学するかによって、いい実習先に行くことができるかが決まったりします。

 

一般的には、歴史のある養成校や、名の通った先生が在籍している養成校の方が、質の高い実習先を多く確保できている傾向にあります。

 

実習指導者について

実習先で、免許を取得して働いている理学療法士や作業療法士が実習指導者になります。

 

見学実習、評価実習、臨床実習の順に、経験年数の多いスタッフが指導するのが一般的です。臨床実習では、臨床経験3年以上のスタッフがなることが多いです。

 

以前は、実習指導者は臨床経験が10年以上のベテランが行うことが多かったのですが、最近では、そのようなベテランがいない施設も多く、若いスタッフが若い実習生を教えなければならない構図があり、指導者・実習生ともにストレスとなる一因となっています。

 

 

実習における注意点

実習における最大の注意点は、無事に終了させることです。無事の終了することが最大の注意点?と思われるかもしれませんが、実習というのは、途中でドロップアウトして留年の原因となりやすいもので、それが原因でPTやOTの道を諦めてしまう学生もいたりします。

 

実習は患者さんを担当しており、自分だけの問題ではないのですが、PTやOTになるという目的で考えた場合、とにかく何があっても途中でやめないことです。一生懸命取り組んでいるならば実習の成績が悪くても構いません。実習の時の成績が悪くても、就職してから活躍しているセラピストは大勢います。

 

実習がうまくいかなくなる最大の原因は、実習指導者との人間関係です。最近は経験の浅いセラピストが指導者を行うことも多くなり、より人間関係で問題が生じやすくなっています。指導者が人間的にもセラピスト的にも教育者的にも未熟であった場合でも、ぐっとこらえて、とにかく実習の期間をやり過ごすようにしてください。

 

実習先で気に入られる、あるいは人間関係を良好に保つ方法ですが、とてもシンプルです。「時間を守って一生懸命に誠実に取り組むこと」です。挨拶をする、遅刻をしない、休まない、提出期限を守る、手抜きをしない、などなど。PTやOTとしての実力など求めていません。きちんと実習に取り組んでいるか否か、これがポイントです。