理学療法士、作業療法士は儲かる仕事か?

理学療法士、作業療法士は大きくお金が儲かる仕事ではありません。

 

以下に理由を説明します。

 

医療の価格は国によって決められている

 

多くの理学療法士や作業療法士の職場である、病院や介護保険施設の収入は診療報酬や介護報酬と呼ばれていますが、この診療報酬や介護報酬の価格は国が定めています。
病院におけるリハビリテーションの価格も国が定めています。

 

 

ここで少し診療・介護報酬についてごく簡単に説明します。

 

例として、病院(診療報酬)はどのように収入を得ているのかというと、

 

患者さんに対して診療を行う

会計窓口で患者さんから自己負担分をいただく

一ヶ月に1回、その月の全診療内容を自己申告で公的機関に請求する

公的機関は申告内容をチェックして、問題がなければ、患者さんの自己負担分を引いた残りの額を病院に支払う

 

というようになっています。

 

そして、この診療報酬は(介護報酬も)、診察も、手術も、検査も、処置も、リハビリテーションも、ありとあらゆる項目の価格がすべて細かく国によって定められていて、それを病院側で変更することはできません。
ちなみにこの診療報酬の価格表は、分厚い本になるほど詳細に決まっています。

 

 

リハビリテーションに関しては、

 

1.リハビリの単価が決まっている(20分2450円など)
2.一人のPT・OTが1日に実施できるリハビリ時間に制限がある
(1日最大8時間または1週間最大36時間以内)
3.一人の患者さんに対して、1日にできるリハビリ時間に制限がある
(1日最大3時間まで)

 

というようなことが定められており、これには理学療法士・作業療法士の能力(経験年数や知識・技術の差)やリハビリの成果(患者さんの治療成績)とは一切関係がなく一律です。

 

つまり、リハビリの単価と実施可能量が決められており、それがPT・OTの能力と関係がないとすれば、一人のPT・OTが稼ぎ出す金額(病院に対して入れられるお金)には限界があるため、当然、病院側としても、そのPTやOTに支払える給料にも限界があります。

 

単純に計算しますと、

 

20分2450円のリハビリを1週間に36時間分、4週間行ったとすると、

 

2450円×108(36時間)×4 = 1.058.400円 となります。

 

つまり、この計算結果からは、1ヶ月の給与は106万円を超えないことになります。

 

実際には、こんなに単価が高い患者さんばかりではありませんし、1週間に36時間分できることも少ないですし、経費もかかりますし(光熱費などなど)、病院側も利益を出さないといけませんし(賞与に回す分、教育費などなど)、この額がそっくりそのまま給与にできるはずはないので、さらに低くなります。

 

 

病院や施設の特性

 

一般企業においては、

 

新商品を開発したり、
商品の価値を高めて価格を上げたり、
支店や子会社を作って販売範囲を拡大する

 

という可能性がありますが、

 

病院は、

 

診療報酬で定められているため、新たな報酬項目を作るわけにはいかず、
技術を磨いて価値を高めても価格は変わらず、
対象者(患者さん)の地域が限定されており、
提供地域を拡大することも難しい

 

など、収益を上げにくい特性があります。

 

しかし、一方で、

 

一般企業は利益を生み出すことも出来るが減ることもある(価格競争など)のに対して、

 

医療・介護業界は、
価格競争がなく(成果に関わらず国が価格を保証)、
他の地域に顧客が流れることもないため、
安定しているともいえます。

 

つまり大きく儲けることもできないが、あっという間に業績が悪化することもない50の業界(0でもなく100でもない)であるといえます。