もし理学療法士・作業療法士国家試験に落ちてしまったら

例年、3月初めは国家試験の合否について、自己採点結果が出ていることでしょう。正式な結果は、3月下旬になりますが、ここでは理学療法士・作業療法士国家試験に落ちてしまった場合の対応について書いてみます。

 

国家試験の基本的事項のまとめ

 

国家試験は再受験が可能

理学療法士・作業療法士国家試験の受験資格は、1度だけのものではありません。国家試験に落ちてしまった場合は、翌年以降も受験することができます。

 

国家試験の実施は1年間に1回

国家試験の開催は、1年に1度です。落ちてしまった場合、次のチャンスは1年後になります。

 

 

国家試験に落ちてしまった後の対応

 

直後の対応について

国家試験の結果(自己採点含む)については、その合否に関わらず、すぐに養成校および就職先(決まっている場合)に連絡してください。どちらも、その結果によって4月からの準備内容が変わるからです。

 

時々、国家試験の結果を就職予定先に連絡して来ない学生がいますが(しかも卒業旅行に行ってしまったり)、受験勉強から解放された喜びは理解できますが、まずは連絡をいれましょう。

 

また、不合格だった場合は連絡を入れにくいと思いますが、落ちてしまった時の方が、就職先としては行わなければならない準備が多いので、早めの連絡が必要です。

 

以下、このような直後の対応ではなく、この先の1年間にわたる長期の対応について考えてみます。

 

就職予定先にPTやOTとしてではなく就職し勉強を続ける

昔は多かったのがこのパターンです。最近は就職先の状況も厳しくなってきているので少なくなってきましたが、以前は国家試験に落ちても見習いにような感じで、かなりの確率で入職することができました(以前は国家試験の合格発表が入職後の4月中旬〜下旬だったことも関係があります)。

 

しかし、入職できたとしても以下のような心理的負担がある場合があります。

 

・とりあえず無職は免れたものの、同期入社の人はどんどん本来の仕事ができるようになっていくのに対し、自分だけは補助員のような仕事しかさせてもらえない。
・給与も資格がある人とない人とでは当然異なる
・配属がリハビリテーション科などではなく、病棟の介護職だったりする
・1年後に合格できたとしても、その職場で働く限り、「国家試験に落ちた人」という評価がついてしまう
・職場で疎外感や孤独感を感じることがある

 

でもこのような逆境を乗り越えて、現在立派なセラピストになっている方は大勢いますので、長い視点で考えて頑張っていきましょう。

 

就職予定先はキャンセルされ、それ以外の職場で働きながら勉強する

最近多いのがこのパターンです。国家試験の時期、合格発表の時期が以前よりも早くなり、就職前に合否がわかるようになったため、最近では国家試験に不合格だった場合就職を取り消すところが多くなってきました。

 

そのような場合、介護保険施設(介護老人保健施設、特別養護老人ホームなど)などにおいて、デイサービスのレクリエーションスタッフなどの形で、介護や医療の現場で働く人と、コンビニなどのまったく関連のない職場で働きながら勉強する人がいます。

 

この場合は、12月頃には職場をやめて国家試験勉強に専念しましょう。これは、勉強時間を確保するためと、冬はインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるため、職場で多くの人と接していると感染リスクが高まるからです。

 

また、上記の就職予定先に就職できた人にも共通することですが、どちらも多くはないものの、何となく収入があって生活できてしまうため、その生活や状態に満足してしまって、挑戦する意欲を失いがちになるので注意が必要です。国家試験勉強は辛くて大変なことなので、「辛い思いをするくらいなら現状でもいいや」と無意識に感じてしまう人が多いのです。

 

 

自宅にこもって勉強

経済的に裕福な場合に選択する人もいますが、何の制約もないので生活リズムが乱れやすかったり、刺激がまったくないので脳が活性されなかったり、あまりお勧めしません。

 

理学療法士・作業療法士になるのを諦める

これは一番選んで欲しくない選択肢です。3年ないし4年間の学費や生活費が無駄になってしまいますし、ここまでやってきたのであればぜひ合格するまで受験してほしいと思います。

 

再受験のための1年間が無駄に思えるかもしれませんが、その後の人生の長さを考えれば、決して長い期間ではありません。世の中には国家試験を再受験し合格して働いている人はたくさんいます。

 

 

再受験における特徴

 

私が今までに見てきた再受験における特徴についてですが、再受験は、最初の受験よりも合格しにくいので注意が必要です。

 

国家試験勉強というのは長くて辛いものです。同じ時期に、同じく頑張っている仲間がいて、周りも自分も気持ちが盛り上がって、一緒にやっていくから頑張れるところがあります。

 

学生という身分で、勉強に集中できる(しなければならない)という側面もあります。

 

再受験者は、一般的に、そのような学生のメリットがないので、孤独に頑張らなくてはなりません。孤独に勉強するのは、現役の時よりも何倍も大変です。

 

私は、今までに、一度不合格になった後に、何回も続けて国家試験に落ちた人たちを見てきました。

 

そのような特徴があることをふまえて、気を引き締めて望んでいただければと思います。

 

 

再受験における勉強方法

再受験といっても、基本的な国家試験の勉強方法は同じです。ただ、基本的に同級生と一緒にグループ学習などはできなくなります。

 

勉強の要点をいくつか挙げてみます。

 

不合格だった理由を分析

まずは、冷静に、不合格になった理由を考えてみましょう。何らかの理由があったから不合格になってしまったのです。

 

勉強方法、勉強の量、体調、生活リズム・習慣などなど。

 

同じようにやっていては、また不合格になってしまいます。

 

きついバイトは避ける

働きながら勉強していく人は、精神的身体的にきつすぎる職場はやめた方がいいです。きついパートのための2回不合格となり、そのパートをやめたら翌年合格できた人がいました。

 

養成校に行って勉強

可能であれば、母校に行って勉強するというのも手です。恥ずかしさがあるかもしれませんが、養成校によっては、不合格だった卒業生のために勉強の場や方法を提供しているところもあります。
このような外部の強制力を使うのはとても有効な方法です。自分の自由な意思だけだと怠けてしまいやすいので。

 

不合格だった仲間と一緒に勉強

同級生などで、落ちてしまった友人がいれば一緒に勉強していくのもいいかもしれません。このも一種の外部の強制力です。
ただし、不合格だった人には、「怠けやすい」等、何らかの理由がある場合もあるので、仲間の質には注意が必要です。